製造業とデザインと私

一週間ブログの更新をサボっておりました。
ちょっとバタバタしてて・・・と、言い訳をしつつ。


本日のお題は・・・


ジャン!


「製造業と私」

昨年よりボチボチと取り組んできました工場ブランディングについて。
それには、こんな背景がありました。


実は、私は製造業の一家に育ちまして。プラスチックの成型工場を営む家庭に育ちました。といっても小さな町工場。家の隣が工場となっており、24時間ガタゴト機械の音がなっておりました。今は工場の拠点も中国に変わったので、工場は形だけ残っており、巨大な倉庫と化しております・・。ま、その倉庫が前回のブログで書きました、夢のマイホーム計画「工場リノベーション」になるのですが。



小学生の頃は、両親の仕事をよく手伝わされたもんです。一個一個機械から落ちてくる部品をひたすら並べる、箱に詰める、単純作業。
「コレ、何に使うんやろ・・?」と出てくる部品を眺め
そんな事を考えながら、退屈な仕事を手伝っておりました。


ある時、内職をしている母に聞いた事があります。
私「これ、1個何円?」
母「50銭」

まだ幼かった私には「50銭」の価値なんてわからず。
今思えば、その積み重ねが私達の成長を支えてくれていたのですね。


しかし、そんな中楽しかった内職がこれ。

赤ちゃんのおもちゃです。
1つ1つの部品を、母やパートのおばちゃん達が組み立てていきます。
できた商品を袋に入れ、箱を組み立ててその中に入れる。袋に入れる作業、箱を組み立てる作業、品番のシールを貼る作業・・色々やったなぁ、と今なつかしく思うのです。
私が小学生くらいの時だったので、20年以上前の話。この写真は先日、工場リノベーションのために片付けをしていたところ、埃まみれの段ボールの中から発見!


「キャー!懐かしい〜!」とテンションあがる両親と私。
そして、今は私のムスメ(孫)の手に。。何だか感慨深い。


子供の頃は、両親の必死の苦労もわかるはずもなく「退屈な仕事を手伝わされている」という意識があったので、工場=退屈な仕事と思っていた私。そうやって大人になってからも「製造業」はどこか無縁のように思いながら、デザインの業界に入りました。そして後に独立。


しかし、起業して初めて仕事を取る事がどんなに難しいかという事を痛感し、改めて両親の偉大さを知りました。それからは経営者である父に相談する事も多々。父の時と時代も違えば業界も違う。具体的な解決策は得る事はなくてもヒントにはなる。そうしているうちに、一人の「製造業の経営者」と日々意見交換するようになったのです。
それからは、まったく無縁の業界と思っていた製造業がとても近い存在に思えるようになり、そして何より「工場=退屈な仕事」と思っていた考えが180℃ 変わりました。そして、周囲の製造業の方達の気持ちが何となくわかるような・・そして話をとても興味深く聞けるようになり、また皆さんが抱えている課題やニーズが見えてくるようになったんですね。


これが、製造業をターゲットにした企業ブランディング「工場ブランディング」を始めるキきっかけとなったワケです。



物を作ってナンボの製造業からすれば、「デザイン」や「ブランド」のような無形物に対しては、評価されづらいところではありますが、だからこそ他にはないオリジナリティを具現化し、消費者から評価を得る事が会社の利益にも繋がっていくと思うのです。



これからの製造業の未来へ向けて、またクリエイティブの可能性をかけて前進あるのみです!